2017年6月9日金曜日

キミカレ~新学期~/南千歳

福山潤さん演じる
南千歳のネタバレ感想です。


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もう、2度と大切な人を
傷つけたりしない。

そう決めたのに、
僕はまたあなたを傷つけてしまった。


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それはまた彼女が幼かった頃。
大好きな幼馴染のお兄さんの
お嫁さんになりたくて、
子供ながらも一生懸命に気持ちを伝え、
チョコを渡したバレンタイン。

けれど、そんな気持ちを
受け入れてはもらえず、
彼女はショックで駆け出して
事故に遭ってしまった。
駆けつけた彼が助け、
怪我は軽かったものの、
その出来事は彼に
大きな衝撃を与えた。

あの日怪我をさせてしまった彼女を、
心から大切に想っていると気づいても、
怪我をさせた自分に
気持ちを伝える資格はないと思い、
ただ傍でずっと見守ろう。
ただ傍でずっと守ろうと決めた彼。

そんなにも大事な本命が居ながらも、
あの事故が尾を引いているのでしょうか?
彼は人から好意を寄せられると、
それを跳ね除けることが
出来なくなってしまっていた。

そうしてそんな態度が原因で、
彼女をヤキモキさせてまた傷つけた。

好きだと自覚してから、
彼女を意図的に避けていたのに。
こうして教育実習であったら、
思いが止められなくなった彼。

けれど、彼は教育実習生で、
来年からは正式な教師として、
四ツ葉学園に赴任する立場。

そんな自分が生徒である彼女と、
怪我をさせてしまった彼女と
結ばれていいのだろうか?


そう考え付かず離れずの曖昧な関係に。

好きだと気持ちを伝えはしたものの、
それで終わりで
付き合う訳でもない曖昧な関係。

でも、それに耐えられなくなった
彼女の行動により、
彼も思いが止められず、
隠れて付き合うことに。

彼女が卒業するまでは
内緒の関係だけれど、
仲間が強力してくれるから、
そんな中でも愛を育み、
幸せに過ごして行く事だろう。

2017年6月8日木曜日

キミカレ~新学期~

いつものように
四ツ葉学園に通う主人公。

高2の春を迎えた彼女に、
突如訪れたモテ期。
なんと、学校の王子だったり、
生徒会長だったり、
転校生だったり、
注目の新入生だったり、
更には人気の教育実習生…と。
合計7人に
告白されてしまったのです。

突然の出来事に
どうしていいのか分からいまま、
友達として付き合って欲しい…と、
全員に保留というような
返事をしたものの、
早く誰かを選ばないといけない彼女。

彼らと共に過ごす中、
彼女が恋に落ちる
お相手とは………?

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攻略キャラ
 ・須賀寛貴(cv.杉田智和さん)
 ・綾瀬川彩人(cv.三木眞一郎さん)
 ・結城隆(cv.浪川大輔さん)
 ・咲坂皐(cv.中村悠一さん)
 ・南千歳(cv.福山潤さん)
 ・桜庭秋夜(cv.森久保祥太郎さん)
 ・鈴宮龍太郎(cv.前野智昭さん)

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 ・南千歳


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移植のゲームという事で、
ソーシャル系の乙女ゲームは、
一日に読めるページ数が
決まっているパターンが多いので
多分そんな感じに
シナリオが作られていたんだろうな
…という感じです。

そのため、こうして
一気に読めてしまうと、
どうしてもブツッと
切れてしまったような
そんな印象を受けます。

でも、短めなので、
忙しい合間にもちょこちょこ遊びやすく、
サクサク進むという良さがありました。

また学園モノならではの、
学校のイベントとか、
やっぱり楽しいですね。

誰も命を狙われず、
自分の命の心配も要らないというのが、
よりうれしい(笑)

学園モノでは、テストの話は
もう当たり前に出て来ますが、
このゲーム、
本当にテスト受けます(笑)
なので、そこでいい点数を
出さないといけないため、
学年末なんて、
10問全部正解するために、
何度もやり直しました(笑)
少し大変でしたが、
それはそれで楽しい思い出となりました!


オススメ度:★★☆☆☆
個人的満足度:★★★☆☆

2017年6月5日月曜日

DYNAMIC CHORD feat.Liar-S V edition

193本目の乙女ゲーム。
Honey Bee BlackさんのPSVita用ソフト。

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お嬢様育ちの主人公は、
親の敷いたレールの上を
高校までずっと歩いて来ました。

親に用意される決められた未来。
周りの友達は誰も
それに疑問を感じない世界。
彼女にはそれが耐えられなくて、
大学は親を説得して
共学の大学に進学。

初めて自分の意思で選んだ世界を
満喫して居た彼女でしたが、
突如親に留学を決められてしまう。

また親の言いなりのまま、
進まなければならないことに
不満を覚えつつも、
それを跳ね除けるほどの
何か強い思いもない自分に
歯がゆさを感じて居た頃、
大学の友人にライブへと誘われた彼女。

お嬢様育ちの彼女にとって
そこは未知の世界。
新しい世界で触れた
S-leeperの曲が彼女の心を揺さぶった。

ライブの後、家路に着いた彼女へ着信が。
相手は親の仕事の関連の知り合いの息子で、
以前パーティーで助けて貰った事もある芹で、
彼はなんとS-leeperのメンバーだった。

彼を介しS-leeperのメンバーと知り合い、
彼らの音楽に対する気持ちを知り、
またヴォーカルの朔良の言葉に励まされ、
彼女は気持ちを切り替えて留学。

2年の留学を経て日本に戻ると
S-leeperはLiar-Sに名前を変え、
メジャーデビューを果たして居た。

所が喜んだのもつかの間、
ライブで生の彼らの演奏を聴いた彼女は
衝撃を受ける事に。
彼らの音楽から
当時の輝きが消えて居たから。

そのことを一番案じて居た
リーダーの芹により、
Liar-Sに新しい風を吹かせる為と、
彼らの「トモダチ」に任命された彼女。

再び彼らの音楽に
彼ららしさを取り戻す為、
彼女は奮闘するのだが………。


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攻略キャラ
 ・檜山朔良(cv.寺島拓篤さん)
 ・珠洲乃千哉(cv.岡本信彦さん)
 ・結崎芹(cv.柿原徹也さん)
 ・榛名宗太郎(cv.斉藤壮馬さん)

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 ・榛名宗太郎
 ・珠洲乃千哉
 ・檜山朔良☆

※攻略した順番に記載させて頂いてます。
 ☆はお気に入りキャラ。



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レヴァフェにつづいて2つ目のグールプ。
今回は既に
メジャーデビューしている彼らとのお話で、
またレヴァフェの時とは違った楽しさが。

主人公はとてもいい子で、
好感が持てました。
料理上手でしっかり者、頑張り屋さん
…と、憧れてしまうような女の子。

キャラも初見では
みんなとても好みだなって思いました。
にもかかわらず、一人攻略出来てない(笑)

実は、ハルちゃんの時に、
ちょっと芹くんにビックリしてしまって。
なんとなく怖い印象になってしまいました。
実際の彼を攻略していないので、
彼のルートではそういうの
払拭されたのかも知れませんが、
朔良くんがとても好みで、
他の人出来ない感じになりまして。
結局芹くんは怖いイメージのまま(笑)

楽曲は既にレヴァフェと出会った時、
DYNAMIC CHORDの全部のバンドの曲を
視聴済みで、
その段階では苦手かな?と思っていましたが、
ストーリーを知って聞くと、
その時の印象よりも好きになりました。
特にエンディングの曲は、
彼らの思いが詰まった楽曲だと知ってて聞くと、
本当に泣ける曲でした。

後はレヴァフェの時にも感じましたが、
いい感じに気持ちが乗ってくると、
画面切り替えの壁紙みたいなのが出て、
集中が途切れさせられてしまう感じが、
勿体無いなって思いました。

ちょこちょこやる派の方とかは、
そう気にならないかな?と思いますが、
私は集中力重視で、
ガーッと入り込んで進めたいので、
気になってしまったんですよね。
…とあくまで個人的な事情なので、
気にならない方も多いかも?

絵も綺麗で、シナリオも良くて、
割りと大人っぽいドキドキな転回も、
とても素敵でした!
残りの二つのグループにも、
早く逢いたいと思わせてくれました。

そして朔良くんが本当に最高で、
大好きになりました!
千哉くんも凄く好みなのですが、
朔良くんが好み過ぎました(笑)
そんな朔良くん出会わせてくれた
この作品に感謝の気持ちでいっぱいです。


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好きキャラ
 1.朔良くん
 2.千哉くん
 3.ハルちゃん
 4.芹くん


オススメ度:★★★★
個人的満足度:★★★★

2017年6月4日日曜日

月影の鎖-錯乱パラノイア-/猪口渉

浅沼晋太郎さん演じる
猪口渉のネタバレ感想です。


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守りたいと思える
存在がある事は、
それだけで幸せな事なんだな。


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温泉街と花柳街が有名な
観光地としての現在の島。
そのベースを作ったのが、
彼の祖父。
そんな理由から、
猪口家は島でも有数の名家だった。

ところが、彼の母が亡くなり、
父が海外に行き、
そこで出会った現在の母と共に帰国し、
猪口家に異国人が
入った事から事態は一変。

父がそのまま失踪し、
身重の異国人の母は、
そのまま猪口家に残り、
息子のノアを産んだ。

異国人を迎え入れただけでも
風当たりは強いのに、
更に異国との
混血の子供が居る事から、
島の観光客が減っている事を始めとし、
様々な悪い出来事は
すべて母のせいにされた。
疫病神…と罵られる母。

それでもなんとか
やってこられたのに、
祖父が亡くなり、
家督を母が継いだ事から、
猪口家は村八分にされる事に。

そうしてノアは
外を出歩く事も出来ない状況に。

だから彼は目指したかった。
差別のない世界を。
国全部は無理だとしても、
島の中だけでも、
少しずつ、母や弟が
生きやすい場所にしたいと。

厳しい状況の中、
それでも希望を捨てなかった彼。
そんな彼に、
友人の榛名が力を貸し、
更に主人公の兄も
力を貸してくれた事で、
島の駐屯地問題や
財政問題を解決へと導く事に。

深海が島から手を引いて、
市長に次期市長になる事を勧められ、
目指す未来のあった彼は、
市長になる事で、
大切な人たちを守る決意を。

そうして榛名や現市長の協力の元、
次期市長になるべく
勉強に励む日々。

今では弟も昼間、
自由に外を歩き回れるように。

渉が自らの意志で
島に残る事を決意した時に、
彼に家督を譲るように
…という彼の祖父の遺言どおり、
母は彼に家督を譲り、
今では街の人たちにも、
受け入れて貰えるように。

まだまだ始まったばかり。
それでも新しい差別のない、
みんなの力で生きていく、
そんな街を目指して、
人々と協力し、
次期市長が市長として
独り立ちした暁には、
理想の街へと進んで行く事でしょう。

2017年6月3日土曜日

DYNAMIC CHORD feat.Liar-S V edition/檜山朔良

寺島拓篤さん演じる
檜山朔良のネタバレ感想です。


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あんたは俺の歌を
誰より真剣に受け止めてくれる。
さっき、涙を流すあんたを見て、
そう感じたんだ。

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母は体が弱く病気がちだったものの、
父と母と姉と彼と、
家族は仲良く暮らしていた。

体調の良い日は、
彼の大好きなオムライスを作ってくれた母が
彼はとても好きだった。

オムライスが美味しくなる魔法、
掛けてあげましょうね。

そう言って、
あまり上手とは言えない絵を
オムライスの上にケチャップで描いてくれた母。

そんな温かい家庭で育った彼は、
家族をとても大切に思っていた。

けれど、病弱だった母は早くに亡くなり、
彼の家は父と姉と彼の三人になってしまった。
大好きな母が居なくなった事で、
少しさびしくなった彼の家。
それでも家族で仲良く暮らしていた。

所が今度は姉が嫁いでしまい、
彼の家には父と彼の二人きり。
随分と淋しい家になってしまった。

ちょうどその頃、
友達の誘いでライブハウスで歌を歌った。
するとその歌がとても好評で、
彼自信も驚いてしまう。

俺はなんの特技もない
平凡なヤツだと思っていたのに。

時折ライブハウスのオーナーの
ジンさんに頼んでは、
人前で歌を歌っていた彼。

いつしかそこは彼の居場所になった。
みんなが彼の歌を喜んで、
彼という存在を認めてくれるから。

弁護士をしていて真面目な父だったが、
彼が音楽に没頭する姿に、
父もそれを認めてくれていた。

その後、同じ中学だった槇に誘われ、
芹の作ったS-leeperに
ギターボーカルとして加入。
すぐに仲間と打ち解けた彼は、
S-leeperが大好きになった。

そうして最初はコピーバンドだった彼らが、
いつしか千哉の作るオリジナル曲を
演奏するバントとなり、次第に人気バンドに。

とても楽しかった。
すべてが上手く行っていたし、
とても充実していた。

いつかこいつらとメジャーデビューして、
千哉の曲を沢山の人に届けるんだ。

いつしかそれが彼の夢となった。

所が、槇が将来の事を考えた結果
…として、バンドを抜ける事に。

デビューも夢じゃないかも知れない。

そんな手応えも感じていた所だったのに。

そうしてベースの抜けたS-leeperに、
芹の紹介で宗太郎が。
それを気にバンド名も
Liar-Sへと変更した。

新しくなった彼のバンドは、
更に人気となり、
すぐメジャーデビューの話が出たのだ。
みんな喜んでそれを受け、
デビュー曲は
ドラマのタイアップもあり、大ヒット。
彼らは瞬く間に人気バンドに。

所がそこから何かが狂い始めた。

人気が出た事で、
彼と千哉のビジュアルが注目され、
彼らはデビュー曲と
二人のビジュアルばかりを求められるように。

千哉がどんなに素敵な曲を作り、
彼がどんなに思いを込めて歌おうとも、
誰もそれを聴いてなどくれなかった。

そうして気づいた時には、
Liar-Sはデビュー曲と顔がいいだけのバンド
…と呼ばれるように。

そうしていつしか彼は歌えなくなってしまった。
観客の前で、以前のようには。

出来上がった違和感だらけの
チグハグな演奏のLiar-S。
それでも観客は喜んで応援してくれる。

あぁ、そうか。
ファンだとか言ってもそういう事か。
こいつらも俺たちのデビュー曲と
ビジュアルがあればいいんだ。

そうして歌だけが自分を表現出来る場で、
千哉の歌を沢山の人に
届ける事が好きだった彼は、
もう居なくなってしまった。

ただ、惰性で歌うだけのヴォーカル。
いつか沈んでしまう
Liar-Sという泥舟の上で。

そんな時、海外から戻った彼女は、
すぐさま彼らの演奏の違和感に気付き、
そうして芹により、
Liar-S公認の『友達』に任命された。

何度冷たくしても突き放しても、
彼女はしつこく食らいついてきた。
そうして彼の歌を欲してくれた。
S-leeperの頃の輝きのあるあの歌を。

最初は適当な事を
言っていると思っていた彼も、
次第に彼女の熱意が本物だと気づいた。

けど、出来なかった。
もう分からないんだ。
どうやって歌えばいいのか。

そうしてどんどん苦しくなった。
彼女の熱意に、想いに応えたい。
でもやり方が分からないから。

そうして「逃げ出したい」という彼に、
じゃあ、逃げちゃいましょう
だなんて、無茶苦茶な事を言った彼女は、
彼と共に宛もなく電車に飛び乗った。

途中行き先を訪ねられた彼は、
海に行きたい」と言ったのだが、
幸いにも飛び乗った電車の
終着駅が海だったのだ。

海でただはしゃいで、
逃げ出した事で色々なしがらみから
開放された彼は、
久しぶりに歌いたいと思ったのだ。
あの頃のように、思い切り。

そうしてやっと歌いたいという気持ちを
思い出した彼は、
後から彼女の電話に応えるように
彼らを迎えに来てくれた芹たちと合流した際に、
千哉に新曲を歌いたいと伝えた。

そうしてLiar-Sは
S-leeperの頃のような輝きを取り戻し、
再起を図る為、
ひたすら新曲の練習に明け暮れた。

けどもう辛くはなかった。
ただ楽しかった。
歌う事が、音を奏でる事が。

そうして迎えた夏フェス。
彼らは以前とは違う輝きのある演奏で、
デビュー曲を披露し、客の心を掴んだ。
更にはデビュー曲とは違うテイストの
新曲を披露した事で、
再び彼らの時間が動き出した。

そう、やっと人々に届いたのだ。
彼らのデビュー曲以外の曲が。
届けたいという想いが。

その後、ずっと支えてくれた彼女に、
気持ちを伝えた彼。
Liar-Sの友達から、
彼の恋人として、今では彼を支えている彼女。

自分の大切なLiar-S。
それでも彼女がLiar-Sを好きだという事が、
なんとなくスッキリしない程、
彼は彼女が愛おしくて堪らない。
メンバーにだって、
自分の大切なLiar-Sにだって、
彼女だけは渡せないと。

-----

俺の心はいつだってあんたでいっぱいなんだ。

だからあんたも、
もっとその心を俺でいっぱいにして、
俺の事だけ見ててくれ。 

これからさきもずっと。

2017年6月2日金曜日

月影の鎖-錯乱パラノイア-/望月理也

松岡禎丞さん演じる
望月理也のネタバレ感想です。


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自分に出来ることをしているだけ。
あなたのその一言に
どれだけ救われたか知れない。


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花柳街の紅華楼で生まれた彼。
母はそこで働いていた女性で、
場所が場所だけに、
当然父は分からない。

幼い彼がそのまま
紅華楼に置いて貰えたのは、
男衆としていずれ働かせる為。

小さい頃からそこで育ったから、
割と早くに
何をする場所なのかを理解し、
だからこそ軽蔑した。
紅華楼に来る男たちを。
だって、そんな男たちの一人が、
自分の父だから。

きっとロクな男じゃない。
そんな血が半分流れている自分は、
生涯独身を貫こう。


そう決意した彼。

そんなある日震災が起き、
街は混乱を極めた。
その時にテキパキと指示を出し、
街を救った神楽坂。
その姿に感動し、彼も神楽坂の元に。
紅華楼で働きながら。

-----

観光で持っている島、紅霞市。
近年は観光客の数も減り、
財政難に苦しんでいた。
そこで市が
財政問題の解決をはかるため、
コンサルタントを雇い、
出された案が街に駐屯地を置く事。

ただでさえ観光客が減っているのに、
駐屯地なんて置いたら
ますます拍車がかかり、
確かに交付金は
得られるかも知れないが、
市民の生活が立ち行かなくなる。

だから、青年団を中心に
反対運動を起こしていたのに。

ある日、コンサルタントの深海が、
住民にバラしてしまったのだ。
頭の神楽坂は元軍人で、
軍を辞めているから
私怨で駐屯地に
反対しているんだ
…と。

駐屯地に反対する声が多く、
状況が改善しないからと、
水道税が徴収されたり、
紅市での購入制限など、
様々な住民への負担で
混乱していた人々は、
その不安や怒りを
誰かにぶつけたかった。

そんな時、深海によって
知らされた事実に、
彼らは飛びついた。

きっと誰でも良かったんだ。
ただ、負の感情をぶつけられれば。


そうして神楽坂を頭とする
青年団は苦しい立場に。

その頃彼女もまた、
水道税導入による商店街の
各店舗が値上げする中、
一人据え置きの料金で
赤字を出しながら
営業していた事が原因となり、
商店街の人々から
嫌がらせを受ける事に。

一人だけ儲けようとしている。

人はそういうけれど、
本当は赤字経営だし、
何より彼女はただ、
彼女の育ての母の螢の理念を
守りたかっただけなのに。

そうして互いに
窮地に追いやられた二人。

そんな中、
彼女が倒れた事をきっかけに、
彼が紅華楼で彼女を匿い
面倒を見る事に。

そこで二人の絆は深まったものの、
彼には決意があったから。
その決意がなかなか
二人が結ばれる事を許さない。

そんな二人の進展に貢献したのが、
なんと彼らの敵に当たる深海だった。

-----

深海もまた彼に似た生い立ちだった。
山村で母一人子一人で
暮らしていたのに、
母の美しさに嫉妬した村長の娘により、
深海親子は村はずれの
掘建小屋に追いやられた。

母は風邪を引いていて、
食べ物もない。
それでも、草や水で
飢えを凌いでいたある日、
村の男が訪ねて来た。
食べ物を持って母に体を求めに。

一度は突っぱねたものの、
息子を育てるために、
二人で生きるために、
母は息子を外で遊ばせ、
代わる代わる訪れる男たちに体を許し、
そうして食料を得るように。

次第に母の行為に
気づいた深海だったが、
母を傷つけないために
その事には触れず、
一人森で動物を捕る罠を仕掛けたり、
食料調達のための努力をし続けた。
それが母を助ける事になると信じて。

そうして、畑を耕し、
動物を捕る事が出来るようになった頃、
体が治りきらないうちに、
男たちにいいように弄ばれた母は、
その事が原因で
命を落としてしまった。

その後、村長に養父母を紹介され、
渡英までして学ばせてもらえる程の
裕福な暮らしを手に入れた深海は、
幸せを感じるたびに、
幸せに出来なかった母を思い涙していた。

-----

そんな過去が
深海の心の深い場所に根付いていた。

だからだろうか?
結ばれないもどかしい二人の、
無知な想いに興味を持ち、
二人が結ばれるようにけしかけた。

そうして、二人が
結ばれたら島から手を引くとまで。

結局、深海のその提案から
二人が結ばれる事となり、
二人の真っ直ぐな想いや、
彼の花柳街への想いを知り、
島から本当に手を引いた深海。

まだまだ島の経済は
上向いた訳ではなく、
財政難を打破する
必要があるものの、
これ以上に生活が
苦しくなる事もなくなり、
島は落ち着きを取り戻し、
彼女も以前同様に
店を営業出来るように。

彼は深海との出会いで
自分の無知を痛感し、
花柳街をなんとかするためにも、
島の財政難の対策のためにも
知識が必要と、
島から出て本土で学び、
島に作った学校の教員に。

それを機に
彼女に結婚を申し込んだ彼。

きっとこれからもこの島で、
二人で力を合わせて
幸せに暮らして行く事でしょう。

2017年6月1日木曜日

月影の鎖-錯乱パラノイア-/榛名望

 成瀬誠さん演じる
榛名望のネタバレ感想です。


-----☆★☆-----

 
自然界に存在する色を混ぜると、
最終的に黒になるでしょ、
暗闇みたいな。
 

色んな気持ちが混ざり合って、
真っ暗闇になった時にも、
君は月のように、
優しく照らしてくれるんだ。


-----

金銭的には恵まれた家庭。
けれど夫婦仲は冷え切っていて、
両親ともにあまり家におらず、
たまに戻る時には
それぞれ恋人を連れて来る。

そうして夜毎聞かされる声。

はじめは意味が分からなかったそれも、
彼の成長と共に、耐えられないものに。

そうか、聞かなければいい。
家にいなければ聞かずに済む。


そう気付いた彼は、
以来、あまり家に
寄り付かなくなってしまった。

まるで自分なんて居ないかのように、
好き勝手に振る舞う両親。
そんな家庭に居場所を見出せず、
帰る事も出来なくなって行った彼。

ある日、公園で寝ていた所を、
こんな所で寝ていないで家に帰れ…と、
声を掛けて来た青年が。

それが今の大事な友人、猪口渉。
猪口に話を聞いて貰った彼は、
居場所を見出せた気がして、
その後就職試験を受けまくり、
深海が社長をつとめる
コンサルティング会社に入社。

そうしてとある島の
財政立て直しを受けた彼の会社から、
社長と共にあの島に。

そこで出会った彼女。

出会いは夜の港。
暗い海を覗き込む彼女に
声を掛けたのは彼だった。
彼女の様子に、
自分と同じものを感じたから。

その後、彼女が
女将をつとめる店に通いつめ、
常連となった彼。

深入りせずに、
ただ時折食事をしに行き、
少しの時間話を聞いてもらう。
それだけで満足だった。

だって、彼女は
沈丁花のような人だから。
近づきすぎると、
その毒にやられて、
きっと離れられなくなってしまう。
そうして僕はダメになってしまうんだ。


そう思っていたのに。

祭りに出かけたあの夜から、
少しずつ変わり始めた。

決定的だったのは、
彼女の店での喧嘩。
客同士の揉め事を
仲裁しようとした彼女が、
逆に悪者のように
悪し様に言われる事が我慢ならなかった。
本当に彼女を想うなら、
傍観すべきだったのに。
耐えられずに怒ってしまった。

自分は市の行政側についている人間で、
さらには友人の猪口と居て、
軍人である友人も、
街の人々にとっては、
敵側だというのに。

その事件をキッカケに、
彼女は店を続ける事が
出来なくなってしまった。

一時の感情で、彼女のここでの
未来を潰してしまった。

けれど彼女はそれが嬉しかった。
本当なら、
自分が仲裁しなければならないのに。
悪く言われた事を彼が怒ってくれた事が。

その後、店を
続けられなくなった彼女は、
深海の誘いにのり、
コンサルティング会社の雑用をすることに。

二人同じ職場で働く中、
彼らは見つけてしまったのだ。
深海が執拗に
駐屯地にこだわる理由を。

それは深海が裏で武器商人をしていて、
ここに駐屯地を置くことは、
武器を販売する為だった。

そこで彼は立ち上がった。
だって彼女を愛してるから。
だから、彼女と
彼女の世界を守る為に戦おうと。

そうして無事に深海の
悪事を住民の前で暴くことに成功し、
店が営業出来なくなるほどに、
街の嫌われ者に
なってしまった彼女の信用も、
その一件により回復させたのです。

深海の会社はつぶれ、
副社長と共に、
島の財政の立て直しに参加した彼は、
三年掛けてそれを成し遂げ、
本土のコンサルティング会社から、
その手腕を買われ引き抜かれる事に。

そんな彼と共に、店を畳み、
本土に行く決意をした彼女。
だって彼を愛してるから。
コンサルティングの仕事を
頑張る彼が好きだから、
そばでそんな彼を
支える事が夢なんだとか。

本土に行っても、二人で助け合い、
末永く幸せに暮らして行く事でしょう。